第21回 粘菌生活

第21回 粘菌生活   台所を味方に

今日も目が覚める。
寒くなって、すぐに起き上がれない日が続く。
下顎と奥歯に走る電撃的な痛み、頭の割れそうな痛み、そして膝の痛み。
今回はなかなか手ごわい。
胸が苦しく、吐き気までやってきた。
いたたまれなくなって、病院に駆け込む。

痛みは負の記憶を手繰り寄せ、不安を呼ぶ。
再発したのではないか。
このまま動けなくなるのではないか。
負の想念に引きずられる。
大丈夫と分かっても痛みが消えない限り不安が残る。

不安のスパイラルから脱出するための粘菌的儀式。
まず絶食。
お湯をゆっくり飲む。
少し落ち着いたら台所を味方に。

包丁を研ぐ。
米を研ぐ。
豆を水に浸す。

大根は千切りにして味噌汁に。
研ぎたての包丁。
気持ちよく切れる。
赤カブはイチョウ切り。
さっと塩を振り、しんなりしたら水気を絞る。
塩麹をまぶして即席の塩麹漬。

友人が毎年送ってくれる自家用玄米。
水で戻した「浸し豆」と一緒に炊く。
塩とお酒、香りづけに醤油を少し。
塩は海水を煮詰めたあらじお。
塩味の豆ご飯。

今年の梅漬けをのせる。
なんて鮮やかな赤だろう。
ごまを振りかける。
玄米の茶色、梅漬けの赤、いりごまの白、浸し豆の緑。

ご飯を海苔でくるむ。
千切り大根のあつあつの味噌汁。
赤カブの塩麹漬。
ゆっくり丁寧に食べる。

食べたものが身体に染みる。
命がすみずみまでいきわたる。
ここまでくれば、もう大丈夫。

ゆずの季節。
レモン塩ならぬゆず塩を作ってみる。
四つ割にし、さらに4つに切る。
あら塩と一緒に、容器に入れる。

食べ方をあれこれ考える。
そうだ。
ゆずと胡麻のおいなりさんにしよう。
油揚げを買いに行こう。

台所から甦る粘菌生活。

一色

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コラム「粘菌生活」が復活しました!!

一色さま、お忙しい中、「粘菌生活」をお送りいただき、ありがとうございました!

スタッフより