第24回粘菌生活

・・・・・・笑う粘菌生活・・・・・・

今日も目が覚めた。
あちこち痛い。
いきなり起き上がるとひどい目にあう。

さあ、起きるよ。
身体に話しかける。
あちこちを、すりすり、とんとん、ぱたぱた、ぶらぶら。
隅々に言い聞かせてから起き上がる。

日によって体調が大きく変わる。
昨日と今日、時には午前と午後で乱高下する。
お天気次第。

こうなると、約束が難しくなる。
友だちと外で会ってお茶を飲むのも、家に来てもらっておしゃべりするのも。
今日は気分がいいから、と言っても多くの場合、相手は他の約束がある。

約束の固まりが、経済活動としての仕事。
たくさんの人との約束と、実行からなりたっている。
仕上がりがいつになるか分からない人を、チームに加えることは難しい。
約束の場所に行き、内容を遂行できなければ、全体の仕事が滞る。
こういう厳しい約束は、したくてもできなくなる。

生まれおちて死ぬまで、この世のすべては、1人ではできない。
調理して食べること、排泄後の処理をすることも誰かが担ってくれている。
今この一瞬にも、誰かの手で水や食べものがいつでも手に入るように整えられ、排泄物が処理されている。
元気で健康な時には、見えないだけ。
老いとともに、動きが鈍くなり、同じことをするにも時間がかかる。
これまで出来ていたことができなくなる。
1人だけでできることなど何一つないことが、あからさまになる。

命は命と支え合っている。
約束などしなくても。

「あちこち痛くて」
「ぼくも手が上がらない」
同年輩の主治医がおっしゃる。
「順調ですね」
「あはは。年相応ということで」

「ごめんね。朝から動けない」
「あはは。私も具合悪い。外で会うのは、もう少し暖かくなったらにしようよ」
女友だち。

「ごめんね。もう少し待って」
「低気圧が来てるからね。体調みながらでいいからね」
仕事仲間。

「ごめんね。すっかり忘れてた」
「あはは。そうだと思ってた。私もこの間・・・・・」

「まだしばらく死なないでね」
「あはは。あなたもね」

笑いあえる幸せ。
笑う粘菌生活。

一色